∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

地震の時はこれでいい

NHKのアナウンス】

 今朝の地震、大丈夫でしたか。ユラリユラリと不気味な揺れ方でガタッと揺れるより怖かったですね。
 揺れで起き、テレビを点け、各チャンネルを見比べていたところ、NHKで目が止まりました。詳しくは覚えていませんが「地震です、すぐ逃げてください」。「東日本大震災の時のことを思い出して、すぐに逃げてください」。というテレビアナウンスの地震用共通メッセージを繰り返しているだけなのに、ほかのチャンネルと比べて緊迫感が圧倒的に違い、見る者に緊張感と切実感を確実に伝えていました。
 その後、津波警報が出た時には「アッ、今津波警報が出ました。遠くに逃げるより近くの高台や指定された高いビルなどにすぐに逃げてください」。「周囲の人に声を掛けて一緒に逃げてください。お年寄りや逃げるのに手間取っている方がいらしたら一緒に逃げてください」。「今すぐに逃げてください」とさらに声を強くしてこれまでに聞いたことのないような強くて緊張感に満ちた声色でアナウンスを続けていました。
 しかも「地震!避難」と「じしん!にげて」のテロップが交互に出るような視覚効果付き。これなら聴覚障害の人でもひと目でわかります。

 実は僕、地震津波の情報より、こういったアナウンスやテロップに目が釘付けになってしまったんです。ほかの局の同様なアナウンスは穏やかな声で、状況説明と避難指示を同じトーンで繰り返すものばかりでした。慌てないようにという気遣いかもしれませんが、地震津波の時は慌てたほうがいいんです、一刻を争うんですから。
 しかもNHKは避難すべき場所や地域を当初まったく放送しませんでした。津波警報が出ている場所は別に表示されていたのでそこまで注意できる視聴者は見てもらいつつ、地域を特定せずに日本にいる人すべてが避難体制を取るように誘導していました。従来なら特定していたところですが、これくらい危機感を煽ってもらったほうが避難体制は整うというものです。関係ないからと無意味に安心するよりも、これくらい緊張していたほうがいいのだと教えられた気持ちになりました。

 東京の下町に暮らす僕にとっては不気味な地震というだけで終わりましたが、気持ちだけはこれまでになく張り詰めたものになったような気がします。
 穏やかさでは群を抜いているはずのNHKですが、今朝のアナウンスだけは感心しました。ハッキリ言って、拍手を送ります。

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