1月7日・人日の節句。3月3日・上巳の節句。5月5日・端午の節句。7月7日・七夕の節句。9月9日・重陽の節句。
古来、宮廷で季節の節目を祝う宴が催されたと言われている五節句には、それぞれ七草粥、菱餅や白酒、柏餅やちまき、素麺といったように季節を表すものを食べる風習が残っています。桃の節句や端午の節句や七夕というような行事も今に伝えられています。
そして、菊の節句とも言われている重陽の節句を賑わす食べ物は栗や菊酒。実りの秋と言われる季節の食べ物としては思った以上に地味な存在です。イベントと言っても菊まつり程度です。もちろん、祝日でもありません。
だからでしょうか。重陽の節句は五節句の中でも目立たない存在になっています。なにしろ、栗なら天津甘栗、花ならなでしこや秋桜のほうが一般的。栗ご飯や秋の七草、を思い浮かべる人だって限られているように感じています。菊酒を思いつく人はいったいどれだけいるのやら、です。
夕方のニュースを見ていて「今日は掛け算の日です」というコメントを聞いた時にはビックリしました。本来の節句を飛ばして、語呂合わせの記念日しか電波に載せないなんて、重陽の節句も軽く見られたものです。
いまさらですが、認知度を高めるために「栗ご飯の日」や「ぶどうの日」として再出発したほうがいいのでは、なんて不謹慎なことまで考えてしまいました。
ちなみに僕は。栗とも菊とも無縁な一日を送りました。あしからず。
[2506]