【今日も一日暑かった】
禅語のひとつに『心頭滅却すれば火もまた涼し』という言葉があります。資料を紐解くと、臨済宗の僧、快川紹喜（かいせん じょうき）が自身が身を寄せていた寺を織田信長に焼き討ちされ焼死する直前に発した公案とのこと。無念無想の境地に達すれば火に包まれるような苦痛も苦痛ではなくなるという教えです。
暑くて暑くてエアコンの効いた部屋でキーボードに向かい合う生活を幸運と感じている僕は、意味は理解できるが納得はできないという心境に陥っています。
「苦難を苦難と思うから辛いのだ。状況は素直に受け入れればいい」。意味は理解できますが、僕が煩悩だらけだからでしょうか、どうしても字義どおりに受け取ってしまって……。今日のような蒸し暑さの中では意味を理解しただけでもエライと自分で自分を褒めてしまいました。
湿度が低ければこの気温でも快適に感じるでしょうが、水分をタップリと含んだ熱気の中で一日を過ごすのはさすがに辛いものです。心頭を滅却するどころか、熱中症にならないように気をつけるのが精いっぱいです。
エアコン、シャワー、そして麦茶。この三種の神器があれば僕だって『心頭滅却すれば火もまた涼し』という心境になれますが、これでは意味が違いますよね。フー、マイッタ。
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