─芒種の候─
コロナでも季節感は忘れたくない
すぐそこまで梅雨がやってきていると予感させるほど、ムシムシとした一日でした。肌はベタベタするし、頭からはツツツッと汗が流れてくるし、マスクの下はジットリと蒸れているし。
先日までの心地よさはどこへ行ってしまったんだと叫んでしまいたくなるくらいの天気でした。
二十四節気では今日からは芒種。穀物の種を蒔く時期でもあり、田植えの時期と言われている季節ですが、それよりも、梅雨間近の時期といったほうが身近かもしれません。
新型コロナウイルスの蔓延に従って季節感を感じることが少なくなったと思いませんか。その代表格が桜。「花見は自粛」の号令で疎遠になってしまい、気がつくと花は散っていましたからね。
暑くなってきたから薄着にはなったけれど、感覚的には、真冬から初夏までワープしてしまったような気がしています。ちょっと大袈裟ですが「コロナは季節感まで奪ってしまった」と言いたくなってしまいます。
そこはかとなく浮かび上がってくる不安感から人との触れ合いがギスギスしてしまったり、妙な遠慮でそっけなくなったり、ちょっと息抜きしても妙な罪悪感に囚われてしまったりと“ゆとりや余裕”とは無縁になってしまった日々が続くと季節感まで感じなくなるのでしょうか。
コロナと共存するのが確実になってしまった今だからこそ、忘れないようにしたいのが“心のゆとりや余裕”です。
目先の事に振り回されすぎず、時には季節の移り変わり変わりにも触れてみるのも大切なことだと思いませんか。
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