先々の実りに希望を託す頃
二十四節気では、今日から約2週間は『芒種(ぼうしゅ)の候』。
米の籾殻の先に付いた「芒(のぎ)」と「種」という組み合わせが示すとおり、稲の作付けが始まる頃である。
江戸時代に著された暦便覧では「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」と記されている。今では転じて、先々の実りに向けて種を蒔く頃とも言われるようになっている。
現代では多少事情が変わってしまったが、古くから日本人の食から精神性まで、すべてに影響を及ぼしてきた稲作は、食糧生産の域を超えて、豊かな実りを象徴する行事だった。当然、梅雨時に始まる田植えは、祭事同様に特別なものとして捉えられてきた。
そんな田植えの季節を知らせてくれるのが『芒種』である。祭事という側面が薄らいできた現代では、転じて、実りある未来に向けて、新たなことに着手する時期とも言われるようになっている。
さて。コロナ禍の中で迎えた今年の『芒種』はどんな時期になるのか。楽しみにしていよう。
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『芒種』‥田植えの季節。
転じて、先々の実りに向けて着手する頃
[0605 - 3802]
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