「マスク外してください」
「ボサボサ頭もいい加減にしないとな」。ということで散髪してきました。
いつもどおり椅子に座り、いつもどおり眼鏡を外し、いつもどおりの髪型にと注文し、いつもどおりケープを巻いてもらい……。すべてがいつもどおりだと思っていましたが、ひとつだけいつもどおりじゃない“動作”があったんです。
さて刈ってもらおうじゃないかと待ち構えていたところ、この店の二代目から「マスクも外してください」と言われたんです。
言われるまで、まったく気が付きませんでした。マスクがあると耳の上のカットに支障が出るし、なによりヒゲが剃れませんからね。
いつもなら言われる前に外してますよ。でも今日は、忘れてたんですね。いや、忘れてたというよりも、マスク姿が当たり前になりすぎたのかもしれません。
なにしろ“いつでもマスク”がもう3年近くも続いていますからね。日常の動作のなかで付けたままが当たり前になっているんでしょうね。まったく気が付きませんでした。
まん延防止等重点措置が一斉に解除されるまで、今日を入れてあと3日。東京では前週より1000人以上、全国でも10,000人以上コロナの新規感染者が減少。県民割はどうする。Go Toキャンペーンはいつから。コロナ禍の話題はいつの間にか明るいものばかりに変わりました。
ですが、現実はコロナスタイルが身についてしまったのか、まだ未知数の不安が残っているのか。密も避けるし、食事でもない限り自宅以外ではマスクも外さなくなっています。
予断を許さない慎重さといえば聞こえはいいですが、私の場合はマスクは眼鏡と同じような“身体の一部”になってしまったようです。いつの日か、ノーマスクの号令が出ても、しばらくは外すのを忘れてしまうかもしれません。
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［season12/0319/24：45］
『啓蟄』‥虫たちが巣ごもりから目を覚まし、地上に這い出る頃
photograph：FLOWER PEACH/ueno toshogu botan-en, ueno
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