∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 一片の卵焼き ≡≡

-たかが卵、されど卵-
ここまで来たか、最新卵事情

 私が幼かった頃の日本では卵が高級食材だった。どこの街にもあった市場の卵屋さんの店先で敷き詰められた籾殻の上にソッと卵が置かれ、買うときはお店の人が卵を一つずつ裸電球に透かして中身をチェックしていた時代の話である。当時は、体調を崩した人へのお見舞いにすることも一般的だった。

 あれから数十年。卵は使い勝手のいい食材として食卓を賑わせてきた。だが、昨年末近くから卵事情は急激に変わってしまった。

 鳥インフルエンザの影響で前代未聞の値上がりを続けた結果、どのスーパーでも10個100円台後半が当たり前だったのに、今では、200円台後半が当たり前、300円以上するものもざらにある。
 いつになるかは不明だが、安定供給されるようになれば価格は下がるので、それまでの辛抱ということらしいが、妙に寂しいニュースである。

 そんななか「崎陽軒シウマイ弁当に入っていた一片の玉子焼きが他の食材に変る」というニュースが報じられた。価格を値上げせず食材を変更したということだろう。

 卵かけご飯、玉子焼、出汁巻玉子、茶碗蒸し、茶巾寿司、目玉焼、オムレツ、カルボナーラビスマルクピザ、たまごサンド、カツ丼、親子丼、玉子チャーハン、天津飯、錦糸玉子、煮玉子、マヨネーズ……。

 卵はありとあらゆるメニューに使われている。そんな食生活を脅かそうとしているのがこの卵危機である。このままでは、卵に頼っていた食生活は一変しかねない。ひょっとすると「卵を使った贅沢料理」などという新たなジャンルが生まれてもおかしくないくらいである。

 コロナの次は鳥インフル。災いの種は尽きないものである。
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[season13┃08 Apr. 2023┃11:50 JST
┃CHERRY BLOSSOM in YANAKA 4/9┃
ryo-daishi, ueno park, taito city.
Photographed on 13 Mar. 2022