誇りとともに咲き誇る
【胴吹桜】桜の老木の幹に直接咲く桜。ほとんどの花のように枝に咲くことを止め、特別な存在感を醸す一輪の桜。
何十年も人々に存在感を示してきた桜の老木を見ていると、時折、幹から直接咲いている桜花を見つけることがある。
なぜほかの花と同じように枝に咲かなかったのだろう。へそ曲がりなんだろうか。それとも、もう枝に咲くことは許されないが、何が何でも咲いてやるという桜の意地なんだろうか。いずれにしても特別な存在であることに間違いはない。
この10数年間、事あるごとに「どっこい、オイラは生きている」と言い続けながら生きてきた私にとって「胴吹桜」ほど共感を抱く存在はない。それは、常識的な立ち位置で咲くことに別れを告げて、けっして心地よくはないが我が道をいこうとした一輪の桜がもつ特別なエネルギーに私自身が共感を抱いているからかもしれない。
たった一輪で咲くのだから、けっして華やかではない。ほかの桜花と競演して人に春の喜びを与えるわけでもない。だが、懸命に咲くことで特別な存在感を感じさせる。
ひょっとすると私は、胴吹桜のような誇り高き一輪咲きに魅力を感じ、そうなろうとしているのかもしれない。
≡≡[season14]24:40/Mar.24.2024 -春分-≡≡
┃BLOOMING with PROUD┃
-Cherry blossom 2/3-
Yanaka graveyard, Taito city.
Photographed on Mar.28.2022