∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

〓〓 “花散らし” 改め “嵐” 〓〓

春の嵐が次の舞台を連れてくる

 まるで台風のような風と横殴りの雨。今朝の雨は凄かったですねえ。激しい雨になるとは聞いていたけれど、ここまで激しい雨になるとは思ってもみませんでした。

 俳句の春の季語で「花散らしの雨」は、雨に打たれた桜花が、濡れそぼりながらも艶やかさを失わず、桜木の根本や水たまり、あるいは川面を桜色に染めるような景色のことを言います。つまり、風流な景色を描いたものです。
 それに対して、今日の雨は風流とは一切関係のないもの、単なる嵐です。傘は飛ばされそうになるわ、服はビショビショになるわの試練でした。

 桜花が散り、若葉が芽吹き、やがて新緑の季節になっていく頃になると、俳句の世界では「葉桜」という夏の季語が使われるようになります。つまり、春の嵐を境にして季節が春から夏へ移り変わっていくといってもいいわけです。

 嵐が次の季節を連れてくる。いいですねえ、季節の移り変わりをこんな感じで捉えるって。繊細な感覚がないとここまで微妙な捉え方はできません。

 突然の嵐で慌てましたが、今日の嵐は次の舞台への前奏曲だったと思えば、少しは気持ちも和らぎます。今日の嵐も、艶やかな姿を見せていた桜を溌剌とした息吹で包み込むために必要だったと思うことにすればいいのかもしれません。

≡≡[season14]24:35/Apr.04.2024 -清明-≡≡
┃FRESH AIR and STRONG WILL┃
-Iris, Goddess of the Rainbow-
Yanaka Cemetery, Taito city.
Photographed on Apr.04.2023