∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 雨が止み、陽光が戻ってくれば ≡≡

清明末候』
虹始見(にじはじめてあらわる)。
この時期だからこそ
改めて色彩学を見つめ直してみる。

 4月15日。七十二候では今日からの5日間は『清明末候』に当たる。日本で伝えられてきた名称は「虹始見(にじはじめてあらわる)」、意味は「雨の後に虹が出始める」である。春雨で潤された空に陽光が降り注ぎ虹が出る季節というわけだ。いわば「虹」という形で陽光の恵みを感じる季節といってもいいだろう。

 現代でも、虹は空に掛かる未来への架け橋として希望を表す存在とされているが、科学的に虹の正体を解明出来ていなかった時代の人々が虹に抱いた思いを想像していると、人がもつ本能的な感覚を彼らと共有しているような気持を抱いてしまう。

 かのニュートンが「虹は7つの色の成分から出来ている」という事実を発見し、のちの24色環につながる色環を発表してから数世紀。色彩学は心理学や物理学、光学など多くの研究と共同しながら目覚ましい発展を遂げてきた。もちろん、色彩学を基礎にした技術や表現も確立し進化し続けている。
 しかし、その根本は人の視覚と、そこから生まれる心理的な効果にある。数学とは違い、感覚という曖昧な存在を分析しようという学問でもある。それだけに「人」との関わりに依拠する。
 ちなみに、ニュートンが虹は7色と発見した当時、イギリスやアメリカでは虹は6色だと信じられていた。ちなみにドイツでは5色、アフリカ諸国では明暗の2色だと認識されていたという。ひょっとすると今でも、個々の人々の色彩心理ではそう感じられているのかもしれない。

 黄砂のあとの雨が降り続いている日本だが、晴れれば虹は現れるだろうか。ぜひそうあってほしいものである
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[season13┃15 Apr. 2023┃12:30 JST
清明末候』‥雪が雨に。陽光輝く時期。
       谷中霊園。日暮里を遠く見て。
┃CHERRY BLOSSOM in YANAKA 6/9┃
yanaka cemetery, ueno park, taito city.
Photographed on 02 Apr. 2022