∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

受託年金2000億円消失

【最大240%の運用益】


 今朝の日経を見てびっくり。〈受託年金2000億円、大半が消失 AIJ投資顧問〉という白抜きの一行が目に飛び込んできました。さっそくほかの新聞をチェックしましたが、2月24日6時30分の時点で報道しているのは日経とNHKだけのようです。ちなみにNHKでは2100億円と金額が違っています。もちろんツイッターではすでに注目語句として浮かび上がっています。それにしても、「今日、AIJに業務停止命令を出す」という金融庁の発表だからほかの報道機関でもと思うのですが……。そんなことはともかくにして。
 この投資顧問会社企業年金を運用して高い運用収益を生み出してきた会社です。つまり、企業としてはこの投資顧問に資金を預ければ年金が安定的に運営できると判断していたわけです。AIJによると最大240%という高い運用益を標榜し、運用機関ランキングでは毎年3本の指に入っていたようです。ただ、毎年確実にプラスの収益を上げているため、あまりにも良すぎるとその投資姿勢を疑問視する専門家もいたとのことですが、とうとう化けの皮が剥がれたようです。
 ちなみに日経によると顧客の大半は、建設、電気工事、管工業など地域の中小企業が作る総合型の厚生年金基金とのこと。つまり、これらの中小企業の年金が無くなるかもしれないのです。
 詳細はこれから明らかになっていくのでしょうが、少なくとも現時点で「資金を預けた企業の年金運営は悲惨な結末を迎えるほどの危機に陥った」ということでしょう。なにしろ、運用自体が粉飾されていたのか、資金が消えうせてしまったのですから。
 簡単に言うと「ウチに預けたら儲かりまっせ」だったものが、実は「ばれましたか。ほんまは、すっからかんですねん」ということ。金融庁の業務停止命令だけで済むわけはありません。金融上の法的処置だけでなく、詐欺などの疑いだってありそうです。もう少し報道が積み上げられるのを待てば、もっとドラスティックな事実が浮かび上がってきそうな事件です。製紙会社や光学機器やカメラのメーカーが起こしたものとは違った「本気の金融事件」になりそうです。じっくりと注目していきます。