∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

上野にて

【観光客】

 御徒町から上野へ。アメ横近くにヤボ用があって出掛けました。さすが心地よい陽射しに包まれた春の日。いつもの土曜日よりも人出は多くなっていました。ところによっては自転車で通り過ぎるのも困難なほどの混雑です。
 消費税が上がっても庶民の購買意識は変わっていないと実感したのですが、そのなかですれ違う人たちの言葉に「戻ってきたな」と感じることがもうひとつ。
 とにかく中国語が飛び交っているのです。アメ横の通り沿いだけでなく、信号待ちをしている人たちからも、上野の山から降りてくる人たちからも。日本語より中国語のほうが多いかもしれません。
 数年前、中国が日本を悪し様に牽制し始める以前の上野、御徒町界隈は中国からの桜観光の定番コースでした。早朝から上野公園の噴水近くで記念写真をとった後、銀座でお買い物、その後築地で昼食というのが一般的だったと記憶しています。
 それが、中国の日本に対しての意識が変わるにつれ、中国からの観光客は激減。中国からの観光客で大賑わいを呈するようになっていたアメ横界隈は以前の人出に戻っていました。もちろん、それでも混雑していることには違いありませんが。
 大袈裟に言うと、そんなアメ横は僕にとってもっとも身近な中国観光のバロメーターでもありました。

 そんなアメ横に中国語が戻ってきたようです。持っている荷物や微妙な服装の違い、あるいは振る舞いを観る限り日本在住の中国人の皆さんとは違う団体が楽しげにアメ横の午後を楽しんでいまいした。
 数十年前の日本の団体旅行と同様、きっとどこかに観光バスやマイクロバスが控えているのでしょう。皆さん、ガイド本片手に大きなショッピングバッグを持って……。日本の春を満喫してくれたはずです。
 日本への理解も国内にいた時とは違ったものになっているはず。こんなところから“国”が動き始めるのなら理想的なのですが。

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