∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

日系アメリカ人受賞者

【国籍ってなんだ】

 青色LEDでノーベル賞を受賞した中村修二カリフォルニア州立大学教授の国籍について問題視する人がいるようです。少なくとも僕のツイッターのタイムラインにはリツイートされたものが散見されました。ほとんどが僕には理解したくない否定的で失礼なものばかりと言ってもいいくらい。
 どうしてこんなことが問題になるのか、情けなくなりました。国籍を選べるのはそれだけで平和で幸せなことだと思うのですが、違うでしょうか。
 特に中村教授の場合はご自身で研究したかったテーマを追求するにはアメリカに渡ったほうがいいというのが直接の理由。しかも研究費を得るためにはアメリカ国籍が必要だからという現実的な理由からアメリカ国籍を取得されたとのこと。二重国籍を許さない日本の場合、同時に日本国籍は消失されたそうですが、それでも個人は個人。研究のためにベストな道を選ばれたということだと考えています。
 ちなみに日本人でアメリカ国籍というノーベル賞受賞者はもうひとり、2008年の南部陽一郎シカゴ大学名誉教授がいらっしゃいます。
 諸般の理由で国を逃げ、あるいは捨てて新天地へ向かい、そこで新たに生活をしていくような場合の政治的な配慮で与えられた国籍。あるいは結婚して配偶者の国籍を選ぶ。いろいろな理由で選んだっていいじゃありませんか。新しい国が好ましく思えたのですから。今回の教授の場合はライフワークのための国籍変更と捉えたいのです。

 アメリカ流の言い方で、ジャパニーズ・アメリカンの受賞。それでいいじゃないですか。国籍はアメリカ。オリジナリティは日本。時と場合によってアメリカ人になったり日本人になったりすることで自分のフィールドが広がる。これこそが究極のグローバル化ではないでしょうか。

 何代も前から日本に暮らしている家系であること、日本で生まれた人間であること、それが日本人だという固定化された狭量な発想では立ち行かない時代になっていると確信している僕にとって今回の国籍問題は意外な展開。今のアジアの民族間の問題もここにあるのではと考えてしまいました。

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