∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

今日と明日は祈りと鎮魂の日

【昭和20年3月10日】

 テレビからは東日本大震災関連の番組が続けざまに放送されています。確かにあの日を忘れないためにも、また復興を推進させるためにも、なくてはならないものばかりです。
 しかし僕は、今日、3月10日は同じように忘れてはならない日だと思っています。東京大空襲の日。61年前の今日、東京は一面火に包まれました。特に、僕が住む下町は人々が逃げ惑うなか、徹底的に焼きつくされました。
 さすがに60年以上も前のことなので、改めて法事を営む家庭も少なかったのではと想像していますが、墨田区横綱にある東京都慰霊堂(地元では空襲前の名前、震災記念堂として通っていますが)でも空襲で亡くなった方々の霊を慰め、改めて空襲の恐ろしさを思い出す式典が行われました。
 戦争をするとこうなるという地獄絵がこの東京で繰り広げられたのです。十万人もの人々が一夜にして亡くなったにも関わらず、戦時中という狂気の時代背景のなかで、簡易な荼毘に伏され、正式な記録を残すこともなく、すべてが人々の記憶の中にしまい込まれそうになったのです。
 このような日は二度と来てはならないと心に誓う日、それが今日、3月10日なのです。
 当時、日本主要な都市や工業地域は空襲の恐怖の中で生きていました。多くの場所で市民たちが亡くなったなんて、今の日本では想像もできなくなったのかもしれません。しかし、今まさに、彼らが築きあげようとしていた日本に住んでいるという事実をありがたく受け止めるためにも、今日は祈りを捧げたいと思っています。

[1957]