∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

何が起こってもおかしくない時

【だからこそ準備が整う】

 北朝鮮が核実験を視野に入れたまま、ミサイルの発射実験を行。アメリカはそれに対抗して空母打撃群を投入。中国は静観しているように見せて国境近くに軍を配置。おなじくロシアも静観しながらも有事に備える。そして日本はアメリカ軍の防護に自衛隊を派遣。大きなメディアからはあまり聞こえてこないものの、韓国も戦時体制を強化している。

 なんとも物騒なことになってきました。日本のメディアは、いざという時には誰がどう守ってくれるはずだという視点に力点を置いて報道を繰り返しています。事実を報道してくれるのはありがたいのですが、国防上の理由からでしょう、水面下で行われているはずの防衛体制についてや、武力行使に向けた体制作りについては一切報道されていません。
 たとえば、先日のミサイル発射実験の時に行使された東京メトロの点検作業が何を意味しているか、どこから指示めいたものが届いていたのかということも論評されません。おそらく、韓国でも同じような情報統制が行われているのではないでしょうか。少なくとも日本では、ここまで威嚇と統制が両立した事態は第二次世界大戦後はなかったと言ってもいいと思っています。

 今回の事態がどのような結末を迎えるのかまったく判らない状況になってきましたが、どんな結果になろうともひとつだけ想像できることがあると僕は感じています。

 「日本はこのままではいけない」という声が、今の事態を例に挙げながら「これまで常識だと思ってきたことを変えるべきだ」とか、「軍備を増強して攻撃的防御に耐えられるような体制を作らなければいけない」とか、「独自の破壊力を持ちながら眠っていたスパイ活動に早急に対処すべきだ」という「確信した大きな意見」に変わるのではないでしょうか。
 当然、「改憲論議を一気に進めるべきだ」と大きな声で発言し始めることは容易に想像できますし、「教育指針にも具体的に手を入れる必要がある」という声だって一気に高まるのではないでしょうか。

 僕には「北朝鮮アメリカが我々の考えを裏付け、時代を変化させる準備を整えてくれた」とほくそ笑んでいる人たちがいるように思えてならないのです。

 「明らかに時代の変換点が目の前に迫ってきた時、現体制は大きく変わる」というのは歴史が証明しています。「国民に広がる不安感を取り上げて増幅させたメッセージは、幾何級数的に拡散し、二者択一的な論理のもと、世論として形成されていく」という現象も起こるでしょう。

 そうなった時、我々はどう対処するべきなんでしょう。僕は今の状況がどうなのかよりこの状況が収束した時のことが気になって仕方ないのです。
 気がつかないうちに時代が遡り、市井の声や何気ない生活よりも、統率された言葉や緊張を強いられた生活が優先されるような世の中になったりはしないでしょうね。そんなに危惧することはない、考え過ぎだと思えればいいのですが。

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