∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

千駄木のカフェで気になる会話が聞こえてきた

【昔の同業者の方ですか】

 ちょっとひと休みと千駄木のカフェへ。コーヒーを飲み、タバコを吸い、インターネットをチェックする。お約束になっている僕の休憩スタイルです。

 ところが今日は、近くの席で話をしている二人組の会話が気になってモゾモゾ、チラチラ。

 以前、同じ職場で働いていたふたりのようで、ひとりはリタイヤ、ひとりはフリーランスで以前の仕事を続けているという関係のようでした。
 自身の近況報告からはじまり、当時の友人知人の消息を報告し合うという、ありがちだけど何かが起こりそうな出会いの場。そんな感じです。

 「今はフリーランスでこんな仕事をしている」という話に、聞き役になっていたリタイヤした先輩格が、スマホで話題に登った仕事を確認しながら受け答えしていたのですが、どう聞いても以前、僕が携わっていた仕事内容のことばかり。つまり、以前の同業者の会話だったもので、失礼とは知りつつ途切れ途切れに耳をそばだててしまったんです。

 燃え尽きて「もうあの仕事には戻りたくない」と感じていたところから数年経って「もう一度あの世界に戻りたい」とは思ったものの「時すでに遅し」と感じている僕にとっては、まさに夢の世界で交わされる会話が目の前で盛り上がっているなんて想像もしていませんでした。

 こんな出会いがあるなんて羨ましい限りと思いながらも、もはや自分には縁のない世界と割り切って、インターネットに集中していたらいつの間にか声が聞こえなくなり、席も空席に。夢のような世界はあっけなく閉じていきました。

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