【見事な夕焼けに見入って】
夕方、西日暮里の諏訪神社あたりからはじまる地元では『安全横丁』の名で知られている道から谷中の三段坂まで続いている道をゆるゆると自転車で走っていました。
途中に『富士見坂』という名の下り坂と交わっている道と言えば「ああ、あそこか」と思い当たる「谷中ファン」の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まさにその富士見坂とのT字路に差し掛かった時ふと西の方を見ると、空が濃い茜色と薄墨色の二色に染まっていたのです。見事な夕焼け。忙しかった一日を労ってくれるかのように自然が用意してくれたドラなチックな演出です。
もちろん、お腹を減らしているはずの猫軍団には待ってもらうことにして、立ち止まって茜色が消えていく様を見続けました。
茜色はたった数分で消え、空は薄墨色一色に。
しかし、まるで心の中に茜色が染み込んでいっていると感じていた僕はなんだか幸せな気分になっていました。
「毎日が不満足」という不満が、いかにみっともないものなのかを夕焼け空に教えて貰ったような気分です。僕にとっての日日是好日はこういう所から始まるのかもしれません。
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