何事もなかったかのようにフラリと
実はここ1カ月ほど、おにいちゃんが我が家に寄り付かなくなっていました。
旅に出たんだろうか。交通事故のような不幸な目に会ってしまったんじゃないだろうか。どこかのお宅できちんと食餌を与えて貰っているだろうか……。
ある日突然、心配の種だけを残して彼は出ていってしまったんです。
そんなおにいちゃんが突然“ご帰還”なさいました。何事もなかったかのように振る舞いながらフラリとです。
窓からヒョコッと顔を出して左右を見渡してから、いつものエサ置き場に直行。食べ終わった後は、お気に入りだった仏壇の上でひと寝入り。態度も行動も何もかもが出ていく前と同じです
出ていくのなら出ていくでひと声掛けてくれればいいのに、ある日突然はないですよね。おにいちゃんの兄弟に続いて二匹目の放蕩猫誕生です。
それにしても、この一カ月は一体何だったんでしょう。彼の態度と、そんな彼を何気なく受け入れている子供たちのことを見ていると、この一カ月は“空白の時間”というか、“時空を超えたもの”だったように感じてしまいます。
まあ、いいでしょう。「かあちゃん」の出産が近づき、一族の勢力が増すこの時期に帰ってきたのだからヨシとしましょう。
おかえり、おにいちゃん。
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