∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 読みと書体に注意 ≡≡

まだ「令和」に慣れないなあ

 令和元年二日目。新しい元号になって世の中がお祝い気分に満たされているなか、僕も気分一新、新たな立ち位置を探そうと思っていますが、まだ「令和」に慣れていないためか、時々戸惑ってしまうようなことが起こっています。
 そもそも「令和元年」と書く時に、間違いなく平成ではなく令和と書けるのかどうかという不安があるにはあるのですが、どうなりますか。

 実は、元号が発表されて以来、文字表記されているものを見た時に「リョウワ」と読んでしまうことがしばしば起こっています。つまり、法令の「レイ」ではなく、大宝律令の「リョウ」が先に浮かんでくるんです。
 万葉集の『梅花の歌三十二首』に収録された大伴旅人の「初春の令月にして気淑よく風和ぐ」という和歌が浮かんでくればこんな間違いもないでしょうが、そもそもそんな教養がない僕のこと、ついつい耳馴染みのある読みが浮かんできてしまうのです。
 そう言えば、会話の中で「レーワ」と言ってしまったこともありました。「イ」ですよね。これだって万葉集の「令月(レイゲツ)」が思い浮かべば間違えないこと。気をつけます。

 ところで、「令」という字を表記する時にツクリを「マ」と書くと誤記と言われることがあるとか。「どちらでもよい」とした国語審議会の見解とは一線を画して、区役所や警察の公文書では「点」ではなく「竪(たて)」でなければいけないらしいのですが……。
 もしこれが事実なら、現在当たり前に使われている書体(フォント)では対応出来ない場合が起こってしまいます。たとえば教科書体や行書体、隷書体などの書体では「テン」を使うのが筆画(ひっかく)の基本になっています。
 マイクロソフトが標準書体として昨年導入したUDデジタル教科書体シリーズはどうすればいいんでしょう。新しく異体字として修正差分が配信されるのでしょうか。それともこのままなんでしょうか。もちろんこのシリーズ以外の既存の教科書体や行書体も同様です。結果的に、一般的な明朝体とゴチック体以外は使えないということになってしまいます。個人的にお気に入り書体のひとつとしてよく使うようになったのに、突然「字が違う」なんて言われると困ってしまうんです。

 漢字には「斉」という字のように異体字が多数存在します。デジタル表記が当たり前になった今、異体字それぞれを正字として認識するには限界があるように感じています。印刷物なら作字という手も使えますが、文字表記に限界があるウェブでは不可能なこと。この際「令に限っては、手書きの時だけ注意する」とするような選択肢はないでしょうか。

 ともあれ、個人的には令和に慣れることから始めます。

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