∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 鶯谷のとある喫茶店 ≡≡

やっぱり、この“喫茶店”は特別!です

・店舗リニューアルと称して自宅兼店舗をフルリフォームして約10カ月休んでいた店。
・室温調整用に開け放したドアから入ると大声でいらっしゃいませと言ってくれる店
・常連客の年齢層が明らかに70歳以上の女性でみんなオーナーとお友だちという店。
・誰ひとりとしてスマホをいじる客がいない店。
・有線放送で流れてくる演歌がBGMの店。
・ご贔屓の歌手が歌う曲がBGMに流れてくると客から拍手が起こる店。
・キッチンのシンク前のカウンター席は常連客の“井戸端会議”用に空けてある店。
・常連客とおしゃべりに夢中と思いきや、きちんとオーダーを聞いてくれる店。
・スイーツが品切になると無料のクッキーが出てくる店。
・一見さんや馴染みのない男性は一人で入っても6人掛けの席に案内される店。
・常連客がいないとオーナーの弾丸トークに付き合わされる店。
・時間帯によっては次々と常連客が入ってきて昭和中後期の話で大盛り上がりする店。

 JR鶯谷駅から数分、先代の三平師匠が「下町の学習院」と言ったことで知られることになった区立根岸小学校のすぐ近くに小さな喫茶店があります。
 よく言えば「稀に見る下町派」。冷静に言えば「人を惹き付けるオーラがあるのか、新たな常連客を作るのが上手くて売上が落ちない店」。しかしその実態は「好きなだけ井戸端会議が出来るババアのための集会所」というとてつもない喫茶店です。

 僕が初めて入ったのはかれこれ20年くらい前。チェーン店のカフェでは絶対に味わえないフレンドリーでホスピタリティ溢れる接客が心地よくて1年に一度くらいのペースで訪れてきました。

 店舗リニューアルのために店を閉めたあと、いつになっても開店しないなと思っていたら、突然、構造物の柱以外すべて取り払った全面リフォームが始まったのですが、そこからが長かったんです。工事も進まず、8月にオープン予定と書かれていた張り紙もいつの間にか取り去られ、ひょっとすると資金切れかと心配していたのですが、やっとオープン。さっそく行ってみました。

 暗かった照明は明るくなり、破れかかっていたソファは新調され、雑音が入っていた有線放送はよく聞こえるようになり、和式だったトイレはシャワートイレになり……。
 常連客と一緒になっておしゃべりに興じるアットホームで温かな雰囲気は往時とまったく変わりなし。皆さん元気いっぱいにエンジョイされています。

 ─集会所でけっこう。賑やか過ぎてけっこう。フレンドリー過ぎてけっこう。ご近所の人たちがひと時を楽しむために次々と顔を出し、行かないと一日が終わったように感じない気分にさせられる─。

 やっぱり、喫茶店の魅力ってこんなところにあるんでしょうね。また行きます。

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