∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ この半年を振り返ってみると ≡≡

拘束していたのは
自分自身だったのかも

 小さな工房を営んでいる知り合いに会いたくなり、ふらりと御徒町へ。考えてみると半年ぶりくらいの訪問です。

 僕が一番苦しかったときでも変わることなく付き合ってくれた彼は、たとえそこが彼の仕事場であっても、なんてことはない雑談以外は話題にしないという暗黙のルールをいまだに守ってくれています。
近頃では仕掛かっている商品を隠すことなく話を続けるなんていう荒業も普通の風景になってしまった「奇妙な空間」の中で1時間ほど季節のこと、即位のこと、香港のことなどなど取り留めもなく話してしまいました。

 そんないいヤツとホンワカした時間を過ごしたあと、アメ横を抜けて不忍池方向へ。夏場は蓮の花が咲き誇っていたはずの池は、渡り鳥が巣ごもりしやすい冬支度に変わろうとしているところでした。

 そんな風景を見ながら「そう言えば今年は蓮の花を一度も見なかったな。いや、渡り鳥の子供たちが遊び回っているところも見なかったぞ」ということに気が付きました。つまり、以前は毎日のように通っていたこの辺りなのに今年の3月くらいから一度も来ていなかったわけです。

 口では「時間だけは自由な身」と言いながら、実際はフラフラと歩き回ることもなく、限られた時間を有効に使わねばと自分で自分を拘束していたのかもしれません。
 この半年を思い返してみると、時間がなかったというよりも、精神的に余裕がなかったといったほうが正確かもしれません。

 アタフタとするばかりで、やり過ごしてしまった時間を埋め合わせることは出来ません。でも、これから出会うはずの風景や出会いや時間を充実したものにすることは出来ます。
 枯れ始めた蓮で覆われた不忍池を見ながら、明日という未来を楽しみにしながら過ごさねばと哲学的な思いに耽ってしまうなんて。今日の僕は「ちょっとズレてた」んでしょうか。

[3299]