ここにもコロナが変えた風景が
台風10号が接近するなかで奄美諸島のホテルが満室になっているというニュースが流れてきました。
──これまで台風が来ると自宅で身をやり過ごすことが多かったが、今度はあまりにも危険そうなので避難しようとしたが、高齢者がいるため、コロナのことを考慮に入れて多くの人が集まる避難所よりも密にならずに済むホテルを選んだ──
取材に答えていた方のコメントを聞いて“なるほど”と感心してしまいました。
あまりにも強大な台風から身を守るためには避難するしかない。かといって避難所にはコロナの危険性が潜んでいる。ここは家族単位で身を潜められるホテルで避難させてもらおう。こんな三段論法で導き出した答えだったのでしょう。ホテルを避難所にしようと決断するまでの葛藤には、ギリギリの状況に追い込まれた者だけが経験するギリギリの選択があったのではと想像してしまいます。
コロナは台風避難のスタイルまで変えてしまいました。
仕事でも日常でも、密にならない状態を作り出すことが当たり前になった昨今。コロナのおかげで、避難するときは避難所へという災害避難まで変化がおきたようです。
突然、多くの人たちの命を守ることになってしまったホテル側にもこれまでに感じたことのない緊張感があるのではないかと思いますが、これも時代がもたらした絵図なのかもしれません。なんとも厄介な時代になってしまったものです。
ホテルでも避難所でも、不安な思いをしながら台風の猛威に直面している皆さん、どうぞお大事に。
[0906 - 3605]