分科会はその役割を果たした
コロナ対策分科会は26名の連名でTOKYO2020開催に関しての提言を政府に提出した。
この提言を政府はこれからどう扱うのだろうか。尊重したように見せかけて無視するというのが正解ではないだろうか。
なし崩し的に中止を回避し、G7で開催を宣言して補強してきた政府に対しての提言である。
だが、専門家や学者の意見など何するものぞの政府が「尊重させていただきます」と受け取るわけはない。
中止では放映権料も広告料もグッズ販売も何もかもが失われてしまう。無観客ではスポンサー企業のメリットがなくなる。大義を果たすためには多少の損失は致し方ない。たとえコロナ禍が逼迫した状況になろうとも、オリンピックが始まれば国民の意識も変わる。何が何でもやるんだ。
そんな政治の流れも踏まえた上での提言提出だったということは容易に想像できる。
分科会は言うべきことを言い、その役割を果たした。少なくとも、経済よりも健康を希求する立場を変えなかっただけでも素晴らしいと言ってもいいだろう。
だがしかし、判断するのは、感染症に怯えていたら経済は回らなくなると考える政府である。当然だが、そこには身の処遇がどうなるか分からない中で頂点を目指そうとしているアスリートも入っていない。
ひょっとすると、分科会のメンバーは今の日本でもっとも正義感に燃えている人たちかもしれない。
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『芒種』‥田植えの季節。
転じて、先々の実りに向けて着手する頃
[0618 - 3815]
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