節分から立春へ
豆まきか恵方巻か、それとも両方か。賑やかに邪気を払い、春を迎える節目の時がやってきた。
子供の頃、母から「豆まきで撒いた豆を年の数＋ひとつ拾って食べれば、これからの一年は健康に過ごせる」と言われ、撒いたあとの豆を探しながら煎った大豆を食べた記憶がある。「畳の上ならまだいいけれど、玄関土間に落ちた豆は食べたくないな」などと思いながらだったが。
ところが、大豆は撒くだけで、食べるのは落花生という家庭も多くなっているという。ひょっとすると、落花生の一大産地、千葉を中心にした関東だけの習慣かもしれないが、古いタイプの私には馴染めない習慣である。
ちなみに、例の恵方巻なるものは一度も食べたことがない。コンビニが流行らせるまでそんな習慣があることさえ知らなかった。
そんな話はともかくとして。
季節の変わり目である。冬が終わって春が来る。実際は、一年でもっとも寒い時期なので「大寒」もあと1カ月ほど続くこと確実だが、とにかく暦の上では「春」である。
春が来ると思っただけで、なんとなく晴れやかになったり、なんとなく活力が湧いてきたり、なんとなく新しいことに挑戦したくなるから不思議なものである。
寒さで身も心も縮こまってしまいそうだが、この季節の節目を機に、生きざまそのものを見直すのもいいかもしれない。「明日が楽しみ」「明日に期待」。こう思えば人生はもっと楽しくなるはずだ。
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［season12/0203/25：00］
『大寒』‥見えない所で春の準備が進む、一年でもっとも寒い時期
photograph：daffodil at kudanshita, chiyoda-ku
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