∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ ふたつの狂気 ≡≡

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プーチンの狂気
兵士の狂気

 本来は民間人の避難用に設定されるはずの人道街道で避難中の人々に銃撃が繰り返され、見境いもなく市街地にミサイルが打ち込まれ、ついにはチェルノブイリ原発の外部電源を遮断したり。ウクライナの災禍が止まらない。

 今、戦争の狂気とされている所業の多くがウクライナで展開されている。またもや歴史は繰り返されてしまったようだ。

─冷静な状況分析ができなくなった独裁者の異常な欲望と、兵士たちが置かれた異常な環境が相乗効果を生み出した結果、狂気は際限のないものに変わっていく─

 戦争突入は、狂気に取り憑かれた独裁者が権力を振りかざして命令を下すところからはじまる。そして、戦闘の最前線では平静を失ってしまった兵士がやみくもに殺戮と破壊を繰り返す。その成果を知った独裁者は、より激烈な命令を下し、最前線の兵士たちをより強い狂気の世界へ向かうように鼓舞し続ける。その結果、兵士たちは指揮系統を逸脱した戦闘行為で自らの狂気を静まらせ、正当化しようとし始める

 そんな狂気の中で振り回され逃げ惑うのは、どんな戦争でも、平穏な暮らしを望む一般市民である。
 皮肉な現実だが、理性を失った兵士と生き抜くことを願う一般市民という図式ほど繰り返されてきたものはない。

 独裁者が敗北を自覚する時まで、我々はこの狂気の世界と付き合っていくしかないのだろう。そして、最前線の兵士たちは、歯止めの利かない異常な世界で放り出されることになる。
 そんな狂気に取り憑かれた人間を覚醒させるためには「時間」と「対抗できる力」と「現実を見つめるスベを取り戻させる情報誘導」が必要だが、そのためには想像を絶するほどの強権が必要になるのも事実である。

 いつになったらプーチンは狂気から覚めるのだろう。その時が来るまで、我々は見守ることしか出来ないのだろうか。だとしたら無念でしかない。
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[season12/0309/24:45]
啓蟄』‥虫たちが巣ごもりから目を覚まし、地上に這い出る頃
photograph:FLOWER PEACH/ueno toshogu botan-en, ueno
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