こんな悲惨な事故が起こるなんて
無念過ぎる
ハロウィンが流行り出してから毎年、私は「大の大人がなんでこんなに大騒ぎするの」と思い続けてきた。
北欧に伝わる伝統行事が広がったというようなかたいことを 言うつもりはない。だが、根本は“冬を迎える前の子供の遊び”。子供たちが街を巡ってお菓子をもらい歩く姿を微笑ましく見守るものだと思っている。
ところが、いつの頃からか様相が激変した。「新しいイベント」とあえて勘違いして「とにかく集まろう、ひたすら騒ごう、歩きながらのどんちゃん騒ぎだ」と捉えられるものになった。参加する気のない多くの人たちも興味本位で注目して、もり立てた。そうなれば仮装もはしゃぎ方もエスカレートして無法地帯状態のエリアが生まれた。
まず最初に無法地帯になったのは、御存知の通り、若者の街シブヤだった。そんな風俗に影響されたのだろうか、韓国でもソウルのイテウォンがハロウィンの聖地になった。
そして事故が起こった。
10月30日夜の段階で死者154名、負傷者130人以上と伝えられている。警備体制に問題があったとも言われているが、悲惨すぎる結果を招いた根本的な原因は「トレンドはハロウィンの夜をイテウォンで過ごすこと」と信じ込ませてしまった集団心理にあるのではないだろうか。加えて、キャッチーな仮装をすれば注目度が上がるという承認欲求と、You Tubeで見ている“匿名性”のあるエンターテイメントに自分も参加したいと思う同調圧力も見逃せないだろう。
一方、シブヤは、街が破壊されるような事態に陥る一歩手前で警察が強い態度で群衆整理をするようになった。街自体も警戒するようになったし、メディアも好意的には取り上げなくなっている。
だが、シブヤがイテウォン化する可能性が消えたわけではない。これまでは幸運にも死者が出なかったと思っていたほうがよさそうだ。
そろそろ、ハロウィンが“若者が集まるバカ騒ぎの場”から“子供と家族の楽しみの行事”に戻る時が来たのではないだろうか。
今回の事故で亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を捧げたい。また突然悲しみに見舞われたご家族やご友人の皆様にも心からのお悔やみを申し上げたい。
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[season12/1030/25:10]
『霜降』‥朝夕の冷え込み。鍋物。動物たちは冬ごもり直前。
photograph:PORT of KOBE view from Mt. nagamine, kobe city
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