∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ デジタル化の端緒ならではの大騒動 ≡≡

マイナポイント付きの
マイナカード申請が終了

 猛烈な反対の末に大混乱を起こしたマイナンバーカードの作成にようやく一区切りがついた。
 そもそもこの大混乱は政府が「個人情報がぎっしりと詰まったカードなので申請も扱いも極めて慎重に」と発言したことに端を発する。
 マイナカードは、確定申告が簡素化されるとして始まった制度だったはずなのに、いつの間にか個人情報に注目が集中するようになり、最終的には「個人情報は国に筒抜けになるけれど、その代わりに作ればお金が貰えるカード」というレッテルを貼られるという“数奇な運命”を背負ってしまった。国の的はずれな説明が生んだ悲劇と言っても差し支えないだろう。

 それはそれとして。

 ここまで「個人情報が漏れるから」とか「必要ないから」といろいろな理由を付けて作らなかった人たちが「お金の貰えるのは2月28日」と認識したうえで、「みんなが作るんだったら私も作る」と突然宗旨変えしたのはいかがなものだろう。
 昨日までの駆け込み申請状況を見ていると、あれだけ反対していたのにどうした風の吹き回しなのかと思ってしまう。反対なら反対し続ければいいではないか。それとも利用価値が低い割には個人情報に固執し続けた申請方法が面倒だったからだろうか。
 マイナカード制度を見直した河野デジタル大臣兼内閣府特命担当大臣は、ここ数日の駆け込み申請増を見てきっとほくそ笑んでいるに違いない。明らかに河野さんの作戦勝ちである。

 マイナカード申請のキャンペーンは一旦終了したが、今もなお申請していない人は保険証がデジタル化した時にはどうするのだろう。例の1年毎に更新するカードを使うのだろうか。それとも紙の健康保険証で代替するのだろうか。
 それだけではない。運転免許証がマイナカードに紐づけされたらどうするのだろう。

 一直線にデジタル化に向かっている世の中に対応するには生活そのものを変えるほどのエネルギーを要する。それだけに発信する側の的確な誘導と姿勢が問われるが、同時に受け取る側にも柔軟な理解と的を得た反論が求められる。拒否する姿勢を手のひら返しで引っ込めて慌てふためいている場合ではない。
 デジタル化された世の中で不自由な生活を選ぶのも個人の自由だが、それならそれで強固な姿勢を貫いてほしいものである。
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[season13┃01 Mar. 2023┃12: JST
┃PLUM TREE(ume)┃
Yushima tenjin, Bunkyo city Photographed on 01 Feb. 2021