∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 日本医師会とマイナ保険証 ≡≡

老婆心ながら
強いご要望はお控えになったほうが
得策では?

 一部の報道機関だけだが、紙の健康保険証廃止に関して日本医師会が、政府に向けて日本医師会としての見解を述べたと伝えていた。
 骨子としては「マイナカードを取得していない人への対応も含めて国民に理解していただく」という段落と「医療現場に掛かってくる負担や混乱に対する手当をしっかりとお願いしたい」というものだった。
 私はこの見解後半の“聞きようによっては厳しい注文”とも取れる内容は「言いたいけれど言えない」医師会ならではの恨み節としか聞こえないものと受け取った。

 先日の河野デジタル大臣の会見では「マイナ保険証に一本化された場合、現在各医療機関が別々に保存している電子カルテの内容は全国で共有される」という説明があった。
 要するに現在各医療機関が各々行っている“検査”と“処方箋”がクラウドベースで確認出来るようになるということを示唆しているわけだ。

 患者としては、セカンドオピニオンを求めて別の医療機関で診察してもらった場合や、別の診療科目を受診した場合に現在服用している薬の説明をしなくても、クラウドデータをその場で医師に確認してもらえるというメリットがある。
 それに対して医療機関では、他の医療機関が行った検査の精度や処方箋の効果などをどう受け止めるべきかという問題が重くのしかかってくる。
 厳密さが要求される検査に関しては再検査されることになって当然だが、初診時に行われるような一般的な検査は省略されることも多くなるだろう。
 ただ、処方箋に関しては、薬の過不足を巡って医師同士で判断が分かれてしまい、結果的に、的確な診療が行われないという事故が起こる可能性が考えられる。

 だが“医は算術”と考えている医療機関があることも事実だ。検査と薬価の両方が減少すると、処方箋薬局も含めて売上が減少する。世にいう「検査漬けと余計な薬」で高い売上を維持している医療機関のなかには「商売のジャマ」と考える機関が出てきても不思議ではない。

 私が前段で述べた「言いたいけれど言えない恨み節」というのはこういう医療機関のことである。先日の日本医師会の会見は取りようによっては「減少した売上分は政府が手当(補償)するように」とも取れるのだ。
 医療機関には、コロナ禍で「政府の補助金付きの要請に従ってベッド数は増やしたが、諸般の理由によってコロナ患者は診療しなかった」という“ウワサ”がつきまとっているままだ。市民の中には「火のないところに煙は立たぬ」と一刀両断に決めつけている人もいるだろう。
 このような状況の中で、日本医師会が“手当”を要望すればするほど「?マーク」が増えていくのは目に見えている。

 先生、今、時代は変わろうとしています。オブラートに包んだ反論や要望を出す前に、新時代とどう折り合いを付けるかを示されたほうが得策ではないでしょうか。
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[season12/1015/25:10]
寒露』‥冷気が漂い、草木に冷たい露が降りる頃。冬鳥の第一陣。
photograph:AIRFLIGHT by SKYMARK AIRLINES:HND to UKB
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