∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ バーラト? ≡≡

「インド」を「バーラト」へ
旧宗主国の栄光の日々は何処へ

 現在行われているG20の開催国であるインドが自国名を『INDIA:インディア』ではなく『BHARAT:バーラト』と表記しはじめた。インド国内ではインディアとバーラトの両方が正式国名として定められていたらしいが、少なくとも私は、まったく知らなかった。せいぜい「インド」が日本語読みで「インディア」が英語読みのカタカナ表記という区別程度だ。

 現在のウクライナ紛争をきっかけにしてウクライナ公用語ウクライナ語に一本化し、それに伴って地名も変更した。たとえば「キエフ」が「キーウ」に変わったようにだ。
 今回のインドの主張も英国の植民地だった頃に刷り込まれた名称を本来のものに戻し、世界に知らしめようという発想からだという。これまでにも「マドラス」を「チェンナイ」、「ボンベイ」を「ムンバイ」にと本来の地名を復活させてきたのだから、「インディア」が「バーラト」に変わっても不思議ではない。「セイロン」が国名を「スリランカ」に変更したのと同様だ。
 ちなみに、変更した後も「ボンベイ・ジン」も「マドラスチェック」も「セイロンティー」もそのまま世界中で通用しているのはご存知のとおりだ。

 旧宗主国と言われているポルトガル、イギリス、フランス、オランダ、ロシアなどが築き上げた威光と栄光の日々の凋落は国名や地名の変更にも現れているようだ。
 今回のインドの主張も、武力で奪われてしまったルーツを取り戻して、進むべき道を指し示し、国としての威厳を取り戻そうとした結果と受け止めたほうが良さそうだ。
きっと「インドカレー」も「インド更紗」も一般名称として生き残るだろう。
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[season13┃01 Sep. 2023┃12:20 JST
┃TOKYO : PRAY for the traveler┃
matsuchiyama Shoden : taito city.
Photographed on 19 Aug. 2022