何度も災禍に見舞われながらも
江戸の鬼門を守り続けてきた古刹と
青銅製の灯籠
美術館、博物館と動物園が同居している東京上野の上野公園。もともとはその一帯すべてが江戸城の鬼門を守るために二代将軍徳川秀忠が僧・天海（のちに大僧正・慈眼大師）に所領を与え、創建された天台宗東叡山寛永寺の寺社領だった。
寛永寺は、根本中堂の焼失、明治維新直前の彰義隊との戦（上野戦争）、太平洋戦争時の空襲など多くの災禍をくぐり抜けてきたが、政治的にも明治政府による所領没収などで衰退の一歩を辿ってきた。
そんな数奇な歴史を有する寛永寺だが、今も根本中堂のほか、いくつかの別院が上野山（忍ヶ丘）の北東（江戸城の鬼門に当たる場所）で東京を守り続けている。
こじんまりとした境内に併設した幼稚園から聞こえてくる子供たちの声が聞こえてくる根本中堂は、観光ルートから外れていることもあるのか、いつも静かな佇まいで来る人を迎えてくれる。
かつては本堂への道を照らしてくれていたであろう、いくつかの青銅製の大きな灯籠にも江戸を守護してきた矜持が潜んでいるようだ。
私は、風雪に耐えてきた青銅製の灯籠を見るたびに、時代のうねりに巻き込まれながら翻弄されながら生き続けてきた強い存在感を感じている。
≡≡≡≡≡［season14］11:40/Dec.23/2023 -冬至-≡≡≡≡≡
┃FORTUNES turn RISE┃
Old Garden Lantern, Kaneiji, Taito city.
Photographed on Nov.25/2022
