∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

パントンカラー

ソフトバンクの「PANTONE3」というシリーズは、イエロー、グリーンなどビビッドカラーが10色ラインナップされたワンセグ対応のケータイだが、この「PANTONE」という名前が、もともと色見本の名前だということを知って驚いた人がいた。
確かに色見本と無縁な仕事に携わっている人にとっては知る必要のない名前だろう。カタカナで書くとパントンとかパントーンとか人によってまちまち。僕はパントン派である。
従来、日本で色見本といえば大日本インキのDICや東洋インキのTOYOが定番だったが、パントンのカラーデータガイドを採用していたアドビのイラストレータがレイアウトソフトの基本になった10数年前から印刷用の色見本として世界的な市民権を得るようになり、一気に「色の世界共通言語」として認識されるようになった。
もともと口紅やアイシャドウなどの化粧品用として開発されたものだったが、生地見本になったガイドやプラスチックのガイドも揃い、今ではファッション業界、ディスプレー業界などのほか、パントン・ユニバースというブランド名で文房具も発売されている。
そんな業界ツールがソフトバンク・ケータイのネーミングに使われたワケだ。上手いというか、ダイレクトというか、これなら色を扱う仕事に関わる人たちすべてにすぐイメージしてもらえる。しかも、文房具などを見た人なら「アッ、この名前」と自動的にイメージしてもらえるので、「刷り込み効果」も計り知れない。
ただ、ほとんどの色をシアン、マゼンタ、イエロー、黒で表現する製版印刷や4〜6色のトナーでプリントするプリンタ用のデザインに使うと正確なカラーマッチングが難しいため、厄介なことになる。もちろん、ウエブも同様。微妙に違うワケだ。もし、プロ・デザイナーがこんな色指定をしたら、印刷所から厳しい質問がくることは間違いない。もし指定するなら「この色に近づける」というあいまいなものに留めたほうがスマートだ。
さあ、パントンの名前に驚いたあなた。お分かりいただけただろうか。パントン・ワールドにハマってしまうかな。
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