∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

三寒四温

さて、昨日までのことは心に仕舞って現実に戻ろう。
まだまだ寒いが、一時と比べると少し暖かいと感じる日が増えてきた。顔に突き刺さるような空気感も和らいできた。と言いながらも、今度の連休は東京でも雪が降るかもしれないという予報が出ている。
季節の変わり目というのはこういうものと割りきってしまえばそれまでだが、冬から春への変わり目には格別のものがある。凍えるような寒さの中で縮こまっていたものが、春になるとのびのびと背伸びをし始める。何もかもが「成長の季節」と感じる、春だけに与えられた特権と言ってもいいかもしれない。
もちろん、冬から春に突然変わるわけではない。ジワリジワリと変わっていく。寒くなったり暖かくなったり、この一進一退状態があるから期待感が増すワケだ。どうも春という季節は優秀な演出家らしい。
こんな季節の変わり目を表す言葉に「三寒四温」という言葉があるが、本当に気温のことだけに視点を定めて言ったものだろうか。僕には草木の芽吹き、水の流れと輝き、気持ちの高揚感、体調の好変化など、いろいろな事象をすべて織り込んだ言葉のように感じるのだが。
人生も山あり谷あり。生き抜く道筋もある日突然好転するわけではない。厳しい時もあれば楽しい時もある。少しずつ少しずつ着実な歩みで地保を固めながら前に進む。こんな哲学的なことまで織り込んだ言葉ではないか、などと深読みしてしまうことがある。
あと少し我慢すれば、のびのび気分の春が来る。しかし、そこが人間の性。春になってしまえば寒かった時のことを忘れ、「早く夏がこないかな」などと思い始める。人間誰しも苦しかった時のことは心に仕舞い、次に来る楽しさへの期待を思い描いてしまうワケだ。
僕にとって「三寒四温」という言葉は、期待が実現する直前の我慢の時を表す言葉である。
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