∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

買い占め

◇パンと牛乳を買おうとしてスーパーへ行った。いつもと雰囲気が違う。棚に商品がない。これがウワサの買い占めか。
実際に目にするまで、まったく意識していなかった僕も呑気なものだが、それにしても、ここまで根こそぎ買って行くなんて思ってもいなかった。
危機感や不安感の表れと言う向きもあるだろうが、僕に言わせると、地震計画停電によって、それまで我慢していた購買意欲が俄然として目覚めたのだろう。
パンは全種類、飲料はソーダ系がほんの少しと杜仲茶と豆乳しか残っていない。インスタントラーメンやカップ麺も数個しか残っていない。インスタント麺だけで6〜7メートル×3段の棚ががらんとしている。
◇ちょっと気になって冷凍食品のコーナーを覗いてみると、ここもほとんど売り切れである。停電するから買いに来たのではないのか。冷凍食品を通電していない冷凍庫に入れておくのだろうか。
ツイッター上に「きなこ」と「食べるラー油」しか残っていないというツイートを発見する。
◇ここは東京23区である。地震だって、破壊的というものではなかった。だのにこれだ。
百歩譲って食品はよしとしよう。しかし、ろうそくと一緒に並んでいたらしい仏壇のお線香まで売り切れているのは、どうしても納得できない。一体、どれだけ線香を立てるのだ。洗濯洗剤のコーナーも9割方無くなっている。このスーパーを利用している人たちは、いつからそんなに洗濯好きになったのだ。やむを得ず立ち寄ったコンビニを利用している人たちだって同様。そんなに電池が必要なのか。いつもはどうしているのだ。
物流と生産のバランスが取れていない今、こんな無茶買いをすれば、いつまでたっても潤沢な商品揃えに戻らない。
◇はっきり言って、これは危機感が反映されたものではない。単にフラストレーションのはけ口を見つけただけだ。そして、地域住民の個々の行動が、新たな不安感を作り出して更なる購買に走る。
必要のない不安の伝播。風評の自然発生。災害が引き起こす人災の中でもっとも危険な人災が今、始まっている。こんな行為の連続が空き巣狙い、ひったくり、万引きなどの犯罪行為を引き起こす原因になることをみんな知っているはずなのに。
もう明日からはこんな衝動的な買い占めは控え、いつものように穏やかで健全な市民生活に戻ろう。
◇と、書いてはみたものの、僕は明日の朝、何を食べればいいのだろう。パスタにするか、それともごはん。
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