∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

一転して、再発「五十肩」

【カルテに症状をゴム印で記載】


 10数年前、僕はまだ40代でした。でも、「五十肩」になってしまいました。
 ある日、左肩の動きが悪くて、いつものように動かそうとすると電気が走ったような痛みが。訳も分からずに湿布薬を貼ってごまかしていたら、そのうち、本当に動かなくなってしまいました。
 ど、どうすればいいの? 正直なところ、かなり焦りましたが、こうなってはしょうがありません。「お医者さんに診てもらおう」と一大決心。よほどでないとお世話になりたくないと常々思っている僕にとってはまさに究極の選択でした。
 動かない左腕を抱えるようにして、近くの外科・整形外科・リハビリ科という看板を出したクリニックへ。周りで診察の順番を待っているのは年配の人ばかり。ほとんどがリハビリ関係の治療のようで、毎日いらしているのでしょう。皆さん、お知り合いので待合室は話が弾んでいました。
 ようやく順番が来て、診ていただいたのですが、症状を伝えた後、軽く触診しただけで、先生は「五十肩ですね。ハッハッハ」と。患者さんが多いのでしょうか。なんと、カルテにはゴム印で症状が記載されました。
 「では、湿布薬を出しておきましょう。あちらでマッサージを受けてお帰りください」。深刻さのカケラもありません。こっちは痛くて動かなくて、焦っているのに。これで終わり? 「五十肩」ということ自体ショックだろう! と感じているのは僕だけだったらしいのです。


【あるメンズショップで】


 マッサージのお陰で少し楽になったものの、回復とは決して言えない頃、ジャケットを買いに出かけました。
 なにげなく袖を通そうとして「ガチッ」と痛みが走り、「痛い! ウウッ」と声を出しながらうずくまってしまいました。 
 驚いたのは初老の店員さん。「大丈夫ですか」とジャケットを持ったまま心配してくれます。そこでようやく「そうだ、五十肩だったんだ」と気付き、「実は……」と話したところ、「そうですか、私も掛りました。ハッハッハ」。ここでも笑いが返ってくるのです。
 「そうか、五十肩は笑いを誘う病気なのか」とそこで初めて気付き、気持ち的には楽になったのですが、痛いのは痛い。
 「症状が出て、300日経つと楽になりますよ。ときどき思い出したように出てきますがね」と、店員さんは笑いながら教えてくれました。そんなものかなと思いながらも「先輩」のご意見として覚えておくことに。
 その後毎日、肩を温めて、ゆっくりと動かし、マッサージをし、という新しい生活リズムが始まったのですが……。
 約300日後。ほぼ一年経った頃、確かに痛みも消え、動きも以前と同じように。「あの話、本当だった」と妙に感心した事を覚えています。


【再発しました】


 その後も何度か「出たぞ」という緊急事態が起こったのですが、また、数日前からおかしいのです。今回も左肩。あの店員さんは「時によって右へ出たり、左へ出たりと飛びますよ」と話していたのですが、僕の場合はいつも同じなんです。


 痛いんです。動きが悪いんです。左肩です。


 こうなると、どうしようもありません。
 今のところ、いつものように肘から先は問題なし。茶碗を持つことも、キーボードをたたくことも平気です。
 そっと気遣いながら10年以上掛けて身に付けた独自メソッドのリハビリを続ければ夏の終わり頃には回復するでしょう。無意識にしてしまう急な動きさえ気を付ければ大丈夫だと思っていますが、どうなることやら。
 ということで、今日は肩を冷やさないようにして眠ることにします。
 この痛みが薄らいできたら、時間を掛けて、カチカチの肩をほぐしていきましょう。
 これから僕は「緊急の五十肩体制」に入ります。実は、少しずつ直していくのが楽しみなんです。


[232/1000]