∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

東京マラソン2013

【数年前のこの日】


 ビルの7階から銀座通りを通り過ぎるランナーたちを応援しながら、ランチパーティを開催したことがありました。全速力で走り抜ける人、かぶり物をしたまま、ゆっくりとジョギングしている人。競技用の車椅子で猛スピードで過ぎ去っていく人もいます。誰もがマラソンを自分なりに楽しんでいます。銀座の鋪道で歩くのを止めて応援している多くの人たちもランナーと同じように楽しんでいます。そんな特別の日を特別の場所で応援しようよと企画したものでした。
 企画はしたものの、僕はどこか冷めた気持ちでそのパーティに臨みました。というのも、去年までは、こんな特別の日の雰囲気を地上20数メートルの所から眺めるなんて思いもよらなかったのに、今年はこうやって見ている。そんな気持ちで眺めてしまったから。周りでは数人のゲストが応援を、数人がおしゃべりをと、皆さん自分流にマラソンを楽しんでいらっしゃるようですが、僕自身は……。


 実はその頃、僕は危機に立たされていたのです。今考えれば第一の危機になりますが、当時は最大の危機と覚悟していた時期です。
 朝、起きた時に、今日だけは苦しさや切り崩し方に目途がつかないもどかしさから離れて、とにかくマラソンを楽しもうと誓いましたが、やはりどこかにひっかかるものがあったのでしょう。最初はなんだかぎこちない気分でしたが、多くのランナーたちが通り過ぎて行くのを見ているうちに気持ちが解れ、純粋に応援できるようになっていきました。なんだか気持ちがムズムズしてくる自分が分かったのです。
 そう、僕はランナーたちから元気をもらったのです。僕が元気を取り戻せば、周囲の人たちだっていっそうにこやかになるのは当然。夕方、お開きにした頃には充分にエンジョイしてもらったようです。


 ランナーたちから。応援の人たちから。いろいろな人たちから元気をもらって月曜から始まる厳しい日々も、逃げながらも切り抜けられたのだと今も信じています。


 今日行われた東京マラソン、以前より芸能人が多く参加してイベント性が強くなったとは感じていますが、市民ランナーの皆さんからは、あの時と同じように元気をもらえたように思っています。
 皆さん、ありがとうございます。


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