【どうやって着ける】
日本の敗戦処理の最前線に立ち続けた吉田茂の生き様を描いたNHKの『負けて、勝つ〜戦後を創った男・吉田茂』を見ています。終戦後の大混乱とGHQの強権、そして吉田茂の心情を描いたものであることは充分に判り、引きこまれるように観てはいるのですが……。
実は、彼の眼鏡にどうしても意識が行ってしまうのです。というのも、彼の眼鏡は“リム”いわゆるツルがない「パンスネ」というもので、鼻に当たる部分(当時はコルク製だったと思います)にバネが仕掛けてあり、その力だけで顔に留めておくというもの。
はっきり言って、顔を動かすとグラグラと動くし、大きな動作だと外れてしまうハズなのです。なおかつ、レンズが顔に近いためすぐに汚れる。なんとも扱いにくい眼鏡だと思うのですが。しかし、彼が眼鏡を落としたなんてことは当然記録にありません。おそらく、落としたことなんてなかったということでしょう。
演ずる渡辺謙は撮影中どう感じていたのか、気になるところです。きっと演技の一環として眼鏡の掛け方まで練習したのではと勘繰ってしまっています。
おっと、そんなことを書いている間にドラマは終わってしまいました。結局、ストーリーは判らず仕舞いのまま。これではドラマを観ていたのではなく、眼鏡を見ていたと言われても致し方ないようです。
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