∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

30数年前の建造物

【総点検の時期】


 中央道笹子トンネルで天井板が崩落、9名の方が亡くなる大事故が起こりました。30数年前に完成後、検査点検はするものの一度も改修されることもなく使われてきた部分の永年劣化が原因ではないかと伝えられています。
 素人の想像ですが、そういった「目立たない」箇所はいくつもあるのではと感じています。同時に「30数年前」という言葉が気になっています。
 身近なところではマンションなどもそうでしょうが、原子力発電所の建設が多く行われていたのも30数年前でした。以来、ずっと検査点検と修理は行われてきたはずです。しかし、今回の事故原因と同様に検査はされても修理や交換の対象にならなかった箇所があるのではないでしょうか。
 検査しているから大丈夫という指針に従っているだけでそれ以上の対策をとらないことで安全が保たれるわけではありません。建造物には念には念を入れた完全メンテナンスが必要なのではないでしょうか。非常に多くの経費と長期間の不便などデメリットのほうが目立つ「マイナスの構築」になるのは目に見えていますが、それでもこれからの数十年のことを考えれば必要な作業ではないのかと感じています。
 特に原発のような一旦事故が起これば、壊滅的な破壊が起こることが実証されてしまった建造物のメンテナンスは必然ではないでしょうか。たとえ、発電停止状態であっても燃料棒は生きています。当然、事故が起これば放射能は拡散します。


 高度成長がピークを迎えていた30数年前、次から次から新しく便利なモノが建設されました。それらがすべて“ドック入り”と“治療”が必要になっているのではないでしょうか。なかには再建しなければいけない建造物も出てくるでしょう。再構築よりも使命を果たしたと判断されて、新たなものと交代するものも出てくるでしょう。それでも「明日への投資」が必要なのではないでしょうか。


 ひょっとすると、慣れ親しんだ世界を変える時が来ているのかもしれません。保守点検だけでは済まない「出直しの時」と言ってもいいかも。


 おっと、社会人になって30数年の僕もその対象かも。いや、僕の場合は“再稼働に向けて修理中”ということになるのでしょうか。


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