∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

新たなる国民栄誉賞候補

【エヴェレスト登頂】


 先日、三浦雄一郎氏が3度目のエヴェレスト登頂を果たしました。衛星経由の映像や電話のやりとりを見聞きしていると、ご本人だけでなくパーティ全体を見渡してみても、今回が最もコンディションが良かったのではないかと想像しています。
 確か5年前の第二回目は随伴していた御子息が高山病に罹り、一人下山されたのではなかったでしょうか。それはそれとして……。
 実は僕、そんな5年前の登頂後の帰朝報告会で氏の講演を聞きました。どうみても75歳には見えない屈強そうな紳士がエヴェレストへの道を写真とともに語る会でしたが、技術や装備はベストであることが当たり前。それよりも精神力やあくまでも前向きな生き方と、同時に協力してくれる多くの人々への感謝が重要というお話しだったように記憶しています。
 今回の登頂でも、テレビ電話でのインタビューに答えていらっしゃるコメントを聞いていると感謝という言葉が何度も出てきました。確かにスポンサーへのお礼が多くを占めているとは思いますが、それだけではないはず。ご家族をはじめとして応援してくれたすべての人々に感謝されているように感じました。
 周囲から見れば絶望的とも思える困難に信念をもって立ち向かい、克服してしまうためには想像を絶するような準備と決意が必要。そんな難題をひとつずつクリアして一層の自信に変えていく作業は常人では不可能に近いのではと感じています。


 こんな冒険家こそ国民栄誉賞の候補にすべきではないかと思い始めています。一芸を極めた芸術家や文化人には無形文化財(いわゆる人間国宝)という賞があります。しかし氏は究極のアスリート。栄誉を賞するなら国民栄誉賞が最適ではないでしょうか。なにも野球選手ばかりが対象ではないはずです。
 体力も信念も計画性も……、何もかもが秀でていないと80歳で3度目のエヴェレスト登頂という偉業は達成できません。
 政府や関係官庁の皆さん、ぜひとも氏を国民栄誉賞候補として考慮していただきたいのですが、いかがでしょう。


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