∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 最高裁判所裁判官国民審査 ≡≡

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選挙公報
顔が見える情報発信をしない
最高裁裁判官の人物像を知る唯一の手段

 総選挙の選挙活動期間があと2日で終わる。各候補者は最後の追い込みに躍起になっていることだろう。
 そんな中で、ひっそりと国民の審査を待っているのが11名の最高裁判所裁判官(判事)である。

 最高裁裁判官の審査が総選挙と同時に行われるのはご存知のとおりだが、ほとんどの有権者が「誰だか知らないけれどヨシとしておこう」と考えているのではないだろうか。
 裁判所のホームページも、名前と所属法廷だけがリストアップされているだけで、ほかのインフォメーションはまったくない。このリストの作り方は高裁でも地裁でも同様である。
 ここまで情報量の少ないホームページは他にないと断言できる作りである。
 経歴も司法に対する考え方も分からないのに審査をしろと言われても、これでは「???」となるのが当然。国民審査が始まって以来、罷免された裁判官が一人もいないというのもうなずけるというもの。一般国民から見れば裁判官はブラックボックス以外の何物でもない。

 そんな別世界にいる裁判官のプロフィールを垣間見れるのが選挙公報である。1ページに4名ずつ、3ページに渡って、顔写真・経歴・関与してきた主要な裁判・裁判官としての心構えが書かれている。
 つまり、「顔が見える情報発信をしない」のが通例の裁判官が、唯一“自己主張”するのが選挙公報なのだ。
 経歴を見ていくと、企業の社外取締役などを歴任してきた人物や大使の経歴を持つ人物など、生え抜きの司法人だけではないことが分かる。
 また、関与してきた裁判を見ていくと、多くの人が覚えている裁判で、どんな意見を述べてきたかが分かる。
 乏しい情報量だが、これだけでも最高裁の裁判官としての“人となり”を想像することは出来るし、国民審査の基準にすることも可能だ。

 総選挙は政治家を選んで政治参加するだけの役割を担っているわけではない。国民に与えられた最高裁裁判官を選別する権利を行使する機会でもある。

 総選挙の時は、名前さえ覚えてもらえれば的な小選挙区比例代表以外に最高裁判所裁判官の国民審査もあることをお忘れなく。もちろん、投函された選挙公報を開きもせずにゴミにしてしまうことなどないように。

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霜降』‥秋の最終章。澄み切った冷気に包まれ霜が降る。山粧う
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