∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

ウソも方便

【理想のメニュー】


 大阪にある2軒のホテルから始まった偽装メニュー問題が大きくなってきました。北海道、静岡、徳島、愛媛などのホテルやレストランのメニューに偽装があったと謝罪会見が行われたと報道されています。
 おそらく、この“偽装メニュー問題”はこれからも出てくるでしょう。そして謝罪の内容も同じように「騙すつもりはなかった。認識がおろそかだった」ということで決着がつくのでしょう。


 利益を追求するというよりも、イメージアップを図るための“方便”だったのか、それとも分業制で手っ取り早く業務をレールに乗せたかったのか。あるいは、他人にはまったく理解できない社内のパワーバランスの問題でしょうか。
 いずれにせよ、真意はともかくとして、「食」への意識が低すぎるのではないでしょうか。それはプロである料理人やその周辺の人たちだけでなく、オーダーする側の意識の問題も潜んでいるような気がします。
 本当に美味しいものを食べたいからオーダーするのではなく、「お墨付き」のあるものを食べる楽しさや満足感のほうが優先する。誰しも一度や二度はそんな選び方をしたことがあるはずです。
 偽装したレストランは、そんな人間らしい欲求をくすぐることも仕事のうちと考えていたのではないでしょうか。


 根本的に品種や産地、あるいは加工方法は独立したもの。決して総称にはなり得ないものです。それをわざわざ間違った表記をしたのですから、よほど強い意識があったのでしょう。しかし「ウソも方便」という時代は終わりました。「あいまいな区分けがまかり通っている」食材の世界であっても通用しません。
 この問題、レストランの世界から波及してスーパーの鮮魚売り場まで大きく拡大していくでしょう。それと同時にユーザーの意識への問いかけもなされるはずと想像しています。


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