【雰囲気一変。驚きの定例会】
今夜は認知症に侵されてしまった友人夫婦との一ヵ月ぶりの定例会でした。僕の友人はいつも通り無表情なんだろうな、時々いらつくこともあるだろうな。そんなことを考えながらいつも通り渋谷の待ち合わせ場所に向かいました。ご夫婦は1時間ほど前から会場で待っていたとのこと。これまたいつも通りです。しかも、とにかく歩かないとフラストレーションが溜まってしまう彼のこと、渋谷まで約2時間、暑い中を歩いてきたというのもいつも通りでした。
しかし、本当は彼自身に大きな変化が訪れていました。
最初の注文を済ませて、奥様と話し始めたところ、彼が話に参加し始めたんです。いつものような無表情で参加する意思なしといういうのとは大きな違い。ところどころながら会話を膨らませてくれるんです。しかも、彼から質問まで出始めました。
正直言ってビックリ。というか、対応に戸惑ってしまう始末。こちらから簡単な質問を投げかけた時でもオドオドしながら単語で答えてくれる程度だったのが、今夜は障害など何も感じさせない弾みようです。そんな彼と接していると、それだけでこちらも嬉しくなってしまいました。
そのうえ、なんと。目の前にあるものは何もかも食べてしまい、僕には回ってこないこともしばしばだった彼から食べ物を進められたのです。これには驚きました。目の前にある食べ物はすべて自分のものとばかりガツガツ食べていた彼が僕に進めてくれるなんて想像もできなかった事態に。
彼がトイレに立った時、奥様に聞いてみると睡眠が持続する時間も増えたし、深夜になると出ることの多かった凶暴性も収まっているとのこと。薬の量を増やして高揚感を抑えているのかと聞いたところ、変わっていないとか。つまり、意識が戻ってきてるわけです。彼が「僕は脳が病気なんです」と言った時にはビックリしたと奥様が話してくださった時には僕も信じられないような気持ちに。なにしろ自我を見つめたり、周囲の環境を意識出来るようになっているのですから
こんなことってあるんでしょうか。冷静に考えれば、今だけのことだとは判っています。しかし、この状態が出来るだけ長く続くように願うばかりです。いや、そうじゃない。少しでも回復への道を歩んでほしいと夢のようなことを考えています。
本当に素晴らしい定例会になりました。こうやってブログを書いていても嬉しくて嬉しくて。来月もこの調子で会いたいと切実に願っています。
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