∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

恵方巻ってナニ

【未だ食したことなし】

 僕は神戸で生まれ、大学に入学するまでは神戸で過ごしました。ざっくり言ってしまえば関西生まれの関西育ちです。
 しかし、神戸で過ごした子供の頃だけでなく東京で社会人になってからも恵方巻なる巻きずしは一度も食べたことはありませんでした。いや、その名前さえも知りませんでした。何年か前にコンビニで恵方巻という食べ物が売りだされた時、関西では節分の日の夜、巻きずしを一本まるごと切らずに恵方を向いて黙って食べる縁起物という説明文を読んで「よく言うよ、また大胆な想像でキャンペーンを張っちゃて」と呆れていました。
 ところが、この食べ物、すっかり全国的に定着しました。今朝のニュースショーでも恵方巻の話題が必ず出てきています。「ホー、そうですか」と見ていましたが、そこでふと思いついたことが。

 平賀源内先生がプロデュースし土用の丑の日に食べるようになったうなぎ。誰もショコラティエなんて名前も知らなかった時代にチョコレートメーカーの販促から始まったバレンタインデーのチョコレート。そして大阪の海苔店と寿司店の共同企画から始まった節分の日の恵方巻。この三つの食べ物ほどキャンペーンで人気が定着したものはないでしょう。
 源内先生のうなぎは別格として、チョコと恵方巻はそれぞれ違った形での起源があったものを巧みな宣伝と地道な周知活動で国民的な認知度を勝ち得たものと言っても過言ではないはず。お見事な頂上作戦です。

 と、感心しきりですが、恵方巻はやっぱり食べません。太巻きはやはりほどよい厚みに切ったもののほうが美味しいと思うんです。そのうえに決められた方角を見つめながら黙って食べるなんてちょっと求道者のようで、どうしても馴染めません。

 ところで、バレンタインデーのチョコレートに関してはいただけるものならいくらでもいただきます。なにしろチョコ、大好きですから。久しぶりにあげてもいいよという奇特な方、ご連絡をお待ちしております。

[1557]