クロちゃんの負けー
日曜日の夜。夕方から降り続いていた雨は止んだようです。さっきまで大騒ぎしていた子猫たちもようやく眠りにつき、やっと静かな夜になったとホッとしていたのに。
ギャー、ウギャー。ドサッ、ドタドタ!
縄張り争い勃発です。
誰だよと思っていたところ、細く明けた窓からビショビショに濡れたクロくんが飛び込んできました。
どうも、ケンカの片割れは、ケンカっ早いけれどいつも負けているクロちゃんだったようです。
パンチを食らったり、首根っこを噛まれたりするとすぐに逃げ帰ってくる彼。今夜は投げ技を食らって、雨で濡れた地面を転がされたようです。
窓の外で大喧嘩が始まった時点で我が家の居付き猫たちに緊張が走りました。「かあちゃん」はケンカ相手が追いかけてくるかもしれない状況を警戒しはじめ、寝ていた子猫たちは起き出してじっと様子を見守っているようでした。
このままではどうしようもないと僕も行動を開始しました。
ビショビショになったクロちゃんを拭いてやり、砂混じりの水気を取ってやり、撒き散らしたオシッコを拭きまわり、ほかの猫たちを落ち着かせ……。
下僕であり、世話役であり、遊び相手であり、食餌係の僕としては、やれるだけのことはやったつもりです。
おかげで静かな夜は消えてなくなり、考えていたブログのテーマは吹っ飛んでしまいましたが……。
今、クロちゃんは落ち着きを取り戻して、お気に入りの“仏壇の上”で目をつむっています。きっと彼は心の中で「今日はこれくらいにしといてやろう」と考えているのでしょう。
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