悪徳商法、健在なり
夕方のニュースを見ていたら「ブルーシートを高額な価格で売る商法」が取り上げられていました。このニュースを知って、20数年前の阪神淡路大震災の時に横行した悪徳商法のことを思い出しました。
区役所に行けば無料で配られるブルーシートを一枚一万円程度で売りつける。
ほんの2~3日自衛隊が来るのを待てば片付けてくれるガレキの撤去を、誰も来ないからやってやると言って高額な工賃を請求する。
屋根を修繕すると言って瓦を剥がし、必要のなかった新しい瓦を売りつける。
地震直後の神戸にはこんな弱者を標的にした悪徳業者が横行していました。市民生活を守ることより被害を伝えることに重点が置かれていた当時、ほとんどこのような商法は無視されていました。
そんななかで行政は「○○や△△のような悪徳商法に引っかからないように」という“張り紙”を電柱や掲示板などいたる所に張り出していました。特に、悪徳業者のポスターがどこかに張ってある場合は、そのポスターのすぐ隣に警告文書を張り出して注意喚起していたのです。なかには、行政の担当者が直接そんな業者と対峙することもあったようです。
あれから20数年。警察の警備も厳しくなったし、行政も想定できる商法としてマークするようになったはずだから、さすがにあんな悪徳業者はいなくなっただろうと思っていたのに、今回も出回っているなんて唖然とするばかりです。
─「弱者に付け込む悪者ほど世にはびこる」。「いざという時の逃げ場を確保しながら金をむしり取る」。「大災害こそ稼ぎ時」─
千葉県の場合は、まっとうな業者さんが入って順次作業されているようですが、そうはいっても大災害になると出没するこの手の業者です。被災された方や関係者の皆さん、何かあれば、まずは行政や復旧の専門家に相談して決して“副次的かつ経済的な被害”に会わないようにご注意を。
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