新装なったサントリー美術館にて
一日だけの夏休みをサントリー美術館で過ごしてきました。
リニューアルのための休館が数カ月続いているなかコロナ禍が発生し、休館期間が延長されていたサントリー美術館が先日ようやくリオープンしたので、チャンスを見つけて行ってみようと思っていたのがやっと実現しました。
展示内容も気になるけれど、館内がどう変わったのかも気になるし、なにより僕の年間パスはいつまで延長されたのかも教えてもらいたい。こんな盛りだくさんの思いを込めて出掛けるなんてはじめての経験です。
木製がガラス製に変わった受付カウンターで期間延長のシールを貼ってもらっていざ館内へ。ロッカーの位置が変わったエントランスホールから、新設されたチケットゲートを通って館内へ。
建材が新しくなった以外、レイアウトなどには目立った変化はないようですが、おそらく最新の視覚的表現機材が隠されているのではと穿った見方をしながら順路を進みました。
平安時代に創られた螺鈿の逸品や江戸時代の屏風や絵図などが並ぶなか、時折展示されていた「古典の発想や技法を今に活かし、美術工芸の流れを時のスパイラルのなかで捉えるとどうなるかを示してくれた現代の作品」は新鮮な驚きを与えてくれる出色な存在でした。
と、ここまではよかったのですが。
コロナのおかげで周囲の皆さんの動きが気になって、気になって。
観覧中の人に近寄らないよう作品を遠目から観たり、誰かが近寄ってきたら展示ブースから離れたりと、余計な心配ばかりしてしまったのです。
体温測定、アルコール消毒30分程度に一回流れる注意喚起のアナウンス、コロナ対応の館内巡回など予防策は完璧。でも、身体のどこかでアラートが鳴っている感覚と言えばいいのでしょうか。どこかしら落ち着けないんです。
美術工芸よりもコロナと過剰反応して、腰を据えて作品と向き合う時間が短くなっている自分が寂しい存在のように感じるなんて思いもしませんでした。
落ち着いて作品と向きあえる日が来ることを願うばかりです。
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