コロナの年の「今年の漢字」
今年のセリフなら
『おのおの方、ご油断めさるな』
例年通り、今年の漢字が発表された。
『密』
納得の選択である。
コロナ禍の生活は密閉・密集・密接を避けることからと否定的な使い方で「三密」という標語が言われはじめて以来どれだけこの漢字に触れてきたことか。これほど継続して触れてきた漢字も珍しいのではないだろうか。
1位の『密』以下5位までの漢字を見ても「禍」「病」「新」「変」……とコロナ絡みの字ばかり。まさに世相を表した結果になっている。
ところで。
今年の漢字は『密』だったが、私家版ながら今年のセリフを選んでみた。
『おのおの方、ご油断めさるな』
大石内蔵助率いる赤穂浪士が吉良邸に討ち入りしたのが12月14日。つまり、今日である。
仮名手本忠臣蔵の中で、討ち入り直前に大石が四十七士に向かって語りかけた名セリフだが、今年に限っては、コロナ禍への注意としてもこのセリフが使えそうである。
コロナに慣れることなく、常に注意を怠らず。
いかにも年寄りくさい選択かもしれないが、感染拡大を予防するためには「ご油断めさるな」こそ適切と考えている。
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