∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 七草の節句 ≡≡

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皮肉なことに
無病息災を願う日に
緊急事態宣言発出

 せり・なずな・ ごぎょう・はこべら・ ほとけのざ・すずな・すずしろ、春の七草

 新年を迎えてはじめての節句人日の節句』に無病息災を願って食されてきたのが七草粥である。前漢時代の中国で行われていた『七種菜羹(ななしゅさいのかん)』が日本に伝わり、今も伝わる形で定着したと伝えられている。
 この七草粥、いつの間にか正月の暴飲暴食で荒れた胃を整えるために食べるものと意味が変わってしまった感も強いが、真冬に育つ生命力の強い新鮮な野菜を摂るのだから、理にかなっていると言えば理にかなっている。

 そんな無病息災・健康促進の日に出されたのがコロナ禍に対応した緊急事態宣言だった。

 一都三県に限っての発出だったが、首都圏では今日から最低でも1カ月間は飲食店や大規模小売店舗などの営業は夜8時まで。イベントやエンターテイメント関連は入場制限強化。テレワークを7割まで増やすこと。外出は極力控えること。などなど、要請という名の制限が課せられることになった。
 前回の発出と比べると、資金援助の充実や協力しない店名の公表という強制力が加味されたが、どれここれも、ある程度の効果しか望めないものばかりである。
 感染者の急増をみれば当然と言えば当然。むしろ遅すぎるくらいだが、ある程度の破綻もやむ無しと多くの人が感じる状況になるまで国が様子見をしていたと考えれば、適切な時期を見計らった発出といえるのかもしれない。

 風習と国策というまったくレベルの違う話のはずなのに「無病息災の節句」と「コロナ禍の沈静化を計った発出の日」が重なるとは、なんとも皮肉な結果である。
 科学的ではないことを承知で言えば、今回の緊急事態宣言が無病息災につながってくれることを願うばかりである。

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