職域接種の一旦停止問題
大企業や大学などを中心とした職域接種が広がっていく中で、またひとつ新たな問題が浮上してきた。
食域接種の一旦停止問題である。
予想以上の申込みがあって、ワクチンに余裕がなくなったので申し込み受け付けを一旦停止しなければいけなくなったということらしいが、よくよく聞いてみると、それぞれの申込み数が“サバを読んだ”ものだったのが一番の問題だったようだ。
どれだけの人数が集まるか分からないから、社員や学生などの人数は帳簿上のもので計算しておけばいい。余れば関係者以外にも打ってもらえばいい。無料だからいざとなったら廃棄すればいい。
こんな甘い員数計算で申し込んだところ、ワクチン大臣がカラクリを見破ってしまったというのが実情ではないだろうか。
おそらく、この記者会見後、申し込んでいた企業や大学ではちょっとした騒ぎが起こっていたのではないだろうか。
たとえば、政府から納品数量の変更通達が来るのではないかとか、あらかじめ接種対象を広げておこうというような騒ぎもあるだろう。こうなったら遠回しに接種の義務化を図ろうと考えている企業や大学もあるだろう。
企業や大学向けということで、当初の発表の時に「返品も廃棄も不可。発注時は適量を」と原材料の発注風にしておけばこんな大騒ぎにならなかったのではとも考えられるが、さすがワクチン大臣、見事に見破ったものだ。
マッ、騒いでもらおう。結果的に接種率が向上すればいいのだから。自治体への連絡も含めて、総務部や学生課に頑張ってもらえばいい。
申し込みが遅れて先行きが見えなくなった団体だって、実数に近い員数計算が終わるのを待てば、申し込みだって再開するはず。お先真っ暗になる必要はない。
それにしても、企業や大学の体質や事務能力まで露わにするとは、コロナ禍恐るべし、である。
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『夏至』の候‥夏来る頃。陽の光は天宙から降り注ぐ。
昼は長く、夜は短し。
[0624 - 3821]
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