コロナ早産への対応
これを機に医療の見直しを
今夜、酷すぎるニュースに接した。
妊娠8カ月の女性がコロナに感染、保健所と連絡を取り合いながら自宅療養を続けていたが、急に産気づいたため自宅で出産。それを保健所に連絡して救急車が駆けつけたが、赤ん坊は心肺停止状態で、その後病院で死亡が確認されたというニュースである。
ニュースによると、早産とコロナへの対応が重なった場合、早産用とコロナ用ふたつのICUと医療関係者が必要になるうえに、生まれた途端に濃厚接触者になった赤ん坊にも隔離措置ができる病室とスタッフが必要になるため、現状では対応はほぼ不可能だとという。
医療が崩壊している現状を考えると、中等症1で自宅療養になってもやむを得ないのだろうと考えてきたが、それにしても今回のケースは酷すぎる。
なぜ、医療は妊産婦が罹患した時に備えて真剣に考えてこなかったのだろう。
なぜ、早産なら診療不可に近い状態と言い切れるのだろう。
なぜ、保健所は新たな工夫を凝らさなかったのだろう。
疑問は次々と浮かんでくる。
素人考えだが、コロナ用のICUに産科の医師が特別に入って出産に立ち会えば命が救えたのではないだろうか。別々の設備がないとまったく処置出来ないのだろうか。野戦病院的な施設を作ろうとしている横で、臨機応変な救命措置には対応が難しいという理論にも変更が必要なのではないだろうか。
もし入院さえ出来ていれば、母親になった女性も、自宅で手助けなく出産するという不安や決意を抱くことはなかったはずだ。彼女の人生観や社会を見る目が一変するのは確実だろう。自治体や保健所、医療機関はどう対応していくのだろう。ぜひ知りたいところだ。
なによりも、医療関係者が「入院はほぼ不可能」と考えている点に問題があると感じている。この認識だと、最初から「コロナ早産は入院不可」とトリアージュしているようなものではないか。
コロナに翻弄されて、保健所機能や医療が崩壊しているとはいえ、これから生きていこうとしている生まれたての命を見殺しにするなんて……。
このようなことが二度と起こらないように、大至急、特別な医療体制が構築されることを切に願う。
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『立秋』の候‥残暑厳しいなかにも秋の気配を感じ始める頃。
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