∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 初めての体験 ≡≡

にわか“鉄ちゃん”の一日は
ハハーッ!の連続

 夕方までに帰ってこられる場所。行ったことのない場所。あまり人が集まらない場所。そんな場所に行けば自分も観光客になれると突然思いついたのが昨夜。朝まで“寝ながら考えて”思い出した場所に行ってきました。
 2~3年前、ある方から「日曜日のあそこは誰もいないし、想像以上に景色が広がっているし、都心から30分くらい電車に乗るだけだし。なにより気楽にフラッと行けるからいいよ」と教えてもらっていた“東京湾岸の秘境駅”です。

 観光客気分で電車を乗り継ぎ、意気揚々と向かったところまでは威勢が良かったのですが、途中で思わぬアクシデントに見舞われてしまいました。二方向に分かれている路線の違った方に行ってしまったのです。
 乗換駅まで戻ってブラブラしながら次の電車を待っていたところ改札口がないことを発見。駅員もいません。

「ハハーッ! これが無人駅か!」。

 感心している間に“間違った方向行き”の電車が何本か到着しましたが、なんと下車した皆さんのほとんどが降りた途端に駅の外に出ていき、線路の写真を撮リ始めたのです。親子連れあり。孫連れジジイあり。中高生らしきグループあり。つまり、この路線を休日に利用しているのは“鉄ちゃん”ばかりだったのです。
 そんな中で、無人駅は出入り自由という初歩的なことも知らなかった私は知らず知らずに間に“新米鉄ちゃん”になってしまっていたわけです。

「ハハーッ! 知らないうちに鉄ちゃんになってしまったぞ」。

 そんなこんなでウロウロオロオロしながらやっと目的の都会の秘境駅に到着。不覚にも、ちょっとだけ感動してしまいました。

「ハハーッ! 東京にはこんな風景もあったんだ」。

 終点なので全員下車しましたが、皆さんも出会った景色に驚かれていたようです。遥か彼方に首都圏を支えるインフラ企業の工場や巨大な橋を見渡せる小さな小さな終着駅。正直言ってこんな駅、工場で働く人以外利用するわけはないはずです。だからこそ都会の秘境駅なんて言われるんでしょうね。

 短か過ぎるわりに小さな驚きが続いた一日でした。身近な所の非日常。こんな日があってもいいですね。
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[season12/0504/24:50]
穀雨』‥春雨が草木を芽吹かせ、穀物の成長を促す頃
photograph:sinobazu pond, ueno, taito city
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